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日本における運営・選抜に関するBoard の考え方

2018年4月16日
ICPC Board, Japan

ICPC Board では,下記の考え方に基づいて運営を行い,選抜ルールを決定しています.

 

国内予選から日本開催のアジア地区大会への選抜ルールについて

国内予選から日本開催のアジア地区大会への選抜ルールは,下記の観点から決定しています.

  1. 世界大会で活躍できるチームを選抜する
    地区大会の使命として,世界大会で活躍できるチームを選抜しなければなりません.
  2. 特定校への偏りを排す
    ICPC は公益財団が主催し, 広くプログラミング教育に資することを重要な目的としています.このため,一部校に大きく偏ることなく,なるべく多くの学校の学生にチャンスがあることが望ましいところです.
  3. 世界大会への進出数を多く
    地区大会からできるだけ多くのチームの世界大会進出を目指しています.進出数が多ければ,ICPC 参加の動機が高まり,プログラミング教育により大きく資することができるでしょう.世界大会への進出数は,地区大会への参加学校数やチーム数によって決まります.近年,この決定にはチーム数より学校数,ネットワーク上で行う予選よりも集合開催する地区大会の重みが大きくなっています.
  4. 参加チームがアジア地区大会を楽しめるように
    参加チームのプログラミングの力に極端な差があるようでは,多くのチームが大会を楽しむことができないでしょう.問題が難しすぎて手も足もでない,逆に簡単すぎてすぐに終わってしまうようでは,競技を楽しめません.より多くの参加チームが楽しめるようにするためには,選抜するチームは一定レベル以上の力を持つ必要があります.
  5. ホスト校への配慮
    アジア地区大会の開催には多大な労力を必要とします.大会ホスト校に十分なメリットがなくては,ホストしていただける学校がなくなってしまい,開催が難しくなります.

これらの観点のうち,2. や 3. からは,各校の国内予選トップのチームをアジア地区大会に選抜するのがよいことになります.しかし,1. の観点からはより多くの国内予選上位チームが地区大会で競った方が,実力の高いチームを選抜しやすいでしょう.また,レベルが低いチームしか参加しなかった学校からのチームでは,アジア地区大会を楽しめないおそれが高く,4. にも反します.逆に国内予選成績の順位だけで地区大会進出チームを決めると,2. や3. を満たせないことになります.

選抜ルールはこれらの矛盾する観点のバランスを考慮して策定しています.

参加経費の負担について

日本以外で開催するアジア地区大会の参加チーム数は大きく増加してきています.日本でも国内予選参加チーム数は大きく増えてきましたが,ネットワーク上ではないアジア地区大会の参加チーム数を増やさなければ,世界大会へ選抜されるチーム数を維持することができなくなってきました.

日本における国内予選の参加チーム数

一方,開催予算には限りがあります.年々より多くのスポンサーからご支援をいただくようになってきてはいますが,地区大会の運営経費は参加チーム数に比例する部分が大きく,多くの参加チームの宿泊費用を全額負担するのが難しくなってきました.一方,開催地との遠近が選手の参加経費を大きく左右するのは公平性の観点から望ましくなく,交通費の支援継続は必要です.こうしたことから,昨年から参加全チームについて宿泊費の一部負担をお願いすることとしました.

つくば大会2016

国内予選は6月に無事終了しました。予選を勝ち抜いたチームと海外のチームが参加する、つくば大会本選は10月に行われます。

10月24日: 2016年アジアつくば大会の最終結果および表彰チームを、大会ウェブページから公開しました。メダル獲得の3チームの皆さんはおめでとうございます。参加・健闘した皆さんはお疲れさまでした!